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作家・山田風太郎氏のファンのブログ

『機忍兵零牙』を読了した話

第10回「山田風太郎賞」受賞作家・月村了衛氏の『機忍兵零牙』、ようやく読了しましたー。

いやー、想像以上に山風してました! 台詞まわしが! でもストーリーは「忍法帖」じゃなくて「典型的ラノベ」でした! 全体にこれでもかと厨二テイストが横溢してたよ!!
正直、「いい歳こいた大人がこんなモン読んでていいのだろうか…?」とちょっと自問しちゃったけど、でも決して悪くない。むしろ嫌いじゃない。ぶっちゃけ、超好き☆
──そんな『機忍兵零牙』でした。感想は追記で!

『くノ一忍法帖』

  「神も御照覧、お千が生ませて、育てます。いのちのあらんかぎり、徳川家にたたるようにと。──」

  『くノ一忍法帖』


大坂夏の陣、落城前夜に救出された千姫とその侍女たち。真田幸村によって、侍女の中に秀頼の落とし胤を身ごもる五人の女忍者が潜まされていると知った徳川家康は、「子が生まれる前に始末せよ」と密命を伊賀忍者に下す。祖父への恨みに燃える千姫と真田くノ一五人衆VS伊賀鍔隠れ五人衆!

みんな大好き『くノ一忍法帖』。シリーズ化されたAVのおかけで(せいで)、忍法帖シリーズの中では『魔界転生』に次ぐ知名度を誇る本作。でもAVのイメージが先行しすぎの気もする。
原作は決して、おバカなエロエロ忍法だけが売りの話ではありません。や、もちろん、エロエロも重要な要素ではありますが! 『くノ一』の何が凄いかといったら、真の意味で“男と女が対等に描かれている”ことではないでしょうか? 
表面的に見れば、妊婦が凄惨な戦いの末に惨殺される、悪趣味の極みのようなストーリーかもしれません。でも、エログロのエンタメ部分の奥に秘められた本当の山風の目線は、“女性”“母性”へ向けた限りない敬意と愛情だと思うのです。
おのれの全プライドをかけて「命をつなぐ」という女性にしか出来ない手段で復讐を成し遂げようとする千姫&くノ一&丸橋が、ひたすらに「力」で屈服させようとする伊賀忍者&家康に真正面から立ち向かい一矢報いて散っていく姿は、とにかく気高くて問答無用にカッコイイ!!
これ以上の「女性賛歌」の物語は、ちょっと他には見当たらないのでは。終盤の展開は、思春期に母親を亡くした山風の“母なる存在”への憧憬がこめられているようで泣けてしまったり……。

ヒロインである千姫様の魅力が大爆発しまくってます。
女であるがゆえに人生を利用され、踏みにじられたことで、家康のみならず男そのものへの怒りと復讐心に燃えたぎる「あどけなく、また妖しいまでに﨟たけた十九歳の未亡人」。もうホント、キャラクターが素晴らしすぎる! 『柳生忍法帖』の天樹院様や短篇「忍法聖千姫」も素敵だけど、やっぱり『くノ一』の彼女が基本にして最高だと思います。
「お祖父さま、恐れながら、お千はお手むかいつかまつります。(中略)これがお千のお祖父さまへの果し状でございます」──こんな痺れる啖呵、そうそうない! 足元にひれ伏したい!!

登場忍法は、やっぱり、くノ一の基本技とも言いたい「筒涸らし」&「天女貝」のセットがイチオシですね。「百夜ぐるま」も幻想的で捨てがたいし、「羅生門」は怖すぎてうなされそう。そして「穴ひらき」はネーミングセンスに脱帽。
あと、まだ少年の徳川頼宣のピュアっぷりがまぶしいです。「お千どのをおゆるし下されば、百万石が何でありましょう」は感動モノです。……それだけに『魔界転生』での俗物っぷりが、ねぇ……これがどうしてああなっちゃうの?としか……(笑)。

Parvati

ドラマ「トドメの接吻」の二次創作。(最終回ネタバレ有り)
3話中盤のストーキングシーンの後を、宰子視点で。
ちょいギスギスしながら距離感を探り合ってるキス女とクズホスト。

「Parvati」(パールヴァティ)は破壊と創造を司る神・シヴァの妻たる女神の名前。死亡した最初の妻・サティの転生であり、シヴァへ献身的に尽くし愛を得る。
別名「Kali」(カーリー)=「黒い女」あるいは「時間」